家づくりの叡智- 家のデザイン・間取り- 家づくりの検討・比較

GOOD DESIGN建築家が考える
庭を取り込む間取りづくりの5つのポイント

WRITER

坂本政彦 / 建築家・一級建築士
株式会社ピー・アイ・イー 代表取締役

GOOD DESIGN建築家が考える<br>庭を取り込む間取りづくりの5つのポイント

はじめに

家を建てる際・間取りづくりを考える際・土地探しをする際、庭の広さがどの程度になるかは重大な関心事であり、多くの方が、庭で家族が楽しむ姿・室内から眺める庭を想像するかと思います。しかし実際の間取りづくりの段階になると、室内のことばかりに目がいって、庭のことに頭がまわらないケースがよく見られます。

庭づくりにおいては、「外観としての庭」「室内からの庭」「楽しむ場としての庭」という3つの視点から考えることが重要です。ここでは、「室内からの庭」という視点から考える間取りづくり・庭を取り込む間取りづくりについてご紹介します。

 

庭を取り込む間取りづくり5つのポイント

1.リビングからの庭の取り込む

室内から眺める庭として、まず思いつくのがリビングから庭を眺めながら寛ぐ姿! 休日の昼下がりに、ソファで寛ぎながら庭を眺めるひと時を想像される方は多いのではないでしょうか?

家族みんなで庭と共に寛ぐ場としてはダイニングも非常に重要です。またリビングにおいてはテレビのレイアウトも重要となるところ。ゾーニングの段階では庭に開放的な位置に設けたはずのリビングが、実際の間取りになるとテレビの配置のために微妙に閉鎖的になってしまうことはよくあるケースです。

瞬間的なイメージ画像に囚われることなく、どんな曜日のどんな時間帯に誰と過ごすひと時なのかという視点で、庭と共にあるリビング・ダイニングを想像してみてください。

 

2.キッチンからの庭の取り込み

キッチンからの眺めというとリビング・ダイニングを見渡すことが出来るレイアウトを要望される方が多く、プラスアルファとしてその先に庭が眺められるとさらに良いというご意見も多く聞きます。

その結果として対面キッチンを要望される方が圧倒的に多いのですが、視線が裏側にも向き易いⅡ型やL型キッチンなどもお勧めです。裏庭を眺め取り込む開口部が取りやすく、室内とは異なる方向に目を向けながら調理家事をするひとときは心穏やかに暮らす間取りともなります。

 

3.家事スペースからの庭の取り込む

洗面室・洗濯室・水廻りなどの家事スペースについてはどうしても効率を重視しがちで、実際の使い方も慌ただしくなりがちです。そんな際に、ふと眺めることが出来る庭が目の前に広がっていればストレスとなりがちな家事作業の負担も和らぎ、むしろ楽しいひとときとなるのではないでしょうか。

 

4.静的スペースからの庭の取り込み

書斎・趣味室・スタディースペース・ワーキングスペースといった静的スペースは、籠って集中する場をイメージしがちです。籠ることを前提に考えると眺める庭は不要と考えがちで、眺める開口を設けたとしても小さく留めることが多いです。

しかし大きな開口部を設けて積極的に庭を取り込むこともお勧めします。メインの庭だけでなく北庭・坪庭・中庭などでもよいでしょう。静的スペースと静的な空間である庭は相性がよくマインドフルネス瞑想的効果も高いので、日常からリセットした空間としてより集中して寛げる場となります。

 

5.動線上からの庭の取り込み

庭との関係性となるとLDKとの関係性のみに終始しがちではありますが、部屋を移動する時に、廊下・階段・玄関などから少しだけ庭が垣間見えるというのも豊かに過ごす間取りとしては効果が大きいです。部屋から部屋への移動時は他に何もしていないので視線を向けることが容易。そんな時に、表庭・裏庭・借景などが目に飛び込んでくると気持ちのリセットができ心を整える効果も大きいと言えます。

玄関アプローチとしての庭も、同様に動線上からの庭の取り込みと言えます。外出の際や帰宅の際にちょっとした庭が目に入るだけで、気持ちを切り替えることが容易となります。

 

まとめ

昨今では省エネ基準の厳格化に伴い開口部を削減しようという流れもあり、必然的に庭との関係性を弱める傾向にもあると感じています。しかし前述したように、庭を取り込む間取りは自然を愛し四季を感じる豊かな暮らしを実現する上で効果が絶大だと言えます。室内・室外として分断して考えるのではなく、庭を取り込む間取りにより、庭と共に過ごす暮らしをイメージし、心穏やかで豊かな暮らしを実現していただきたいです。

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坂本政彦 / 建築家・一級建築士
株式会社ピー・アイ・イー 代表取締役

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