-
カテゴリから探す
カテゴリを選択してください
-
タグから探す
タグを選択してください
無垢材の家具が選ばれる訳
家で過ごす時間が長くなるにつれて、家具をしっかり選びたいと考える方が増えてきています。このような流れに伴って見直されてきているのが無垢材の家具の良さです。
時をかけて木材の色に深みや味が出てくる経年変化を楽しみたい方や、メンテナンスなどの手間をかける分だけ愛着がわき家具を育てる感覚を楽しみたい方、上質なものや環境に優しいものを永く使いたいという方が無垢材家具を選ばれることが多くなってきました。
しかし、「メンテナンスの方法がよくわからない…」「難しそう…」と躊躇ってしまう方も多いかと思います。そこで今回は無垢材家具のメンテナンスについてご紹介いたします。家具選びの参考に役立てていただければと思います。
最初に知っておきたい「無垢材」の意味
はじめに家具の材木や塗装について少しご紹介します。それらの違いでメンテナンスの要不要や方法の違いが生じます。永く付き合う家具を選ぶ時こそ塗装の違いをしっかり知っておくことで、ライフスタイルに合った家具に出会うことができるかと思います。
まず知っておきたいのがよく耳にする「無垢材」の意味。無垢材とは天然木の丸太から切り出された製材のこと指します。材木だけで作られているため重厚感と耐久性があり永く使うほど風合いが増してきます。
一方、無垢材と対をなすのが「突板」。突版とは薄くシート状にスライスしてベニヤ板に貼ったものを指し、それを家具表面に接着して作られています。無垢材の家具よりも軽いものが多く価格も抑えめになります。ただ表面の木のシート部分が剥がれると下のベニヤ板が出てきてしまい、修復も難しいのが難点です。
無垢材家具の原材料は純粋な木なので、無塗装のまま使用すると汚れや水分をそのまま木目に吸収してしまい、また乾燥や湿気によるヒビ割れやソリを起こしてしまうことが多くあります。そのため、より長く美しく使い続けられるように無垢材の家具は塗装が施されています。塗装の種類によりメンテナンス方法が変わってきますので、塗装の種類について学んでいきましょう。
化学塗料と自然塗料のメリット・デメリット
塗装は大きく分けて2つに分類されます。1つは化学塗料を用いた塗装で、ウレタン樹脂(プラスチック)を木材の表面に吹き付けるウレタン塗装や、アルコールやシンナーなどの揮発性の溶媒にアクリル樹脂を溶かしたものを吹き付けるラッカー塗装などがあります。
化学塗料を用いた仕上げ ~ウレタン塗装とラッカー仕上げ~
ウレタン塗装
ウレタン塗装は木の質感を楽しむというよりは、見た目が人工的で光沢感があるのが特徴です。メリットはメンテナンスが不要なところ。ウレタン樹脂が木材の表面をコーティングしてくれるので、水や汚れが木目に入り込まないため綺麗に保つことができ、経年変化が起きず購入時のイメージを損なわずに保つことができます。
一方で傷や凹み対しては弱く、一度ついてしまった傷は修復ができません。また10~20年経つと摩擦で塗装が剥がれてきてしまうことがあり、再塗装するには専門の工場に修理に出すか、買い替えなければならないのがデメリットです。
ラッカー仕上げ
ラッカー仕上げは、次に紹介するオイル仕上げと前述のウレタン塗装の中間のような塗装方法です。木の質感を残しつつも傷や汚れが付きにくいという特徴があります。
ウレタン塗装よりコーティングが薄く水や汚れに対しての配慮が必要なため、机であればランチョンマットの使用がおすすめです。ウレタン塗装と同様に自分作業では再塗装ができないため、長期間使うことを考慮するとメンテナンスが難しい塗装方法です。
自然の塗料を用いた仕上げ ~オイル仕上げとソープ仕上げ~
化学塗料を用いた仕上げと対をなすのが自然の塗料を用いた仕上げです。こちらはオイルとソープを使用した2種類の仕上げに分けられます。
オイル仕上げ
オイル仕上げは天然の植物性オイルを主原料とした塗料を使用した仕上げ方で、オイルを木の内部まで染み込ませる方法です。天然のオイルを使っているため木の呼吸を妨げることがありません。
しっとりとした木目の表情を楽しめる仕上がりで使い込んでいくほどに味わいが増していきます。ヴィンテージの雰囲気がお好きな方や、木の表情や色合いの経年変化を楽しみたい方にお勧めしたい仕上げ塗装です。日常のお手入れはぬるま湯に浸してしっかり絞った柔らかい布で拭いてください。
ソープ仕上げ
ソープ仕上げは特に北欧家具で使われ、その名の通り石鹸の塗膜で木材をコーティングする仕上げです。さらりとした肌触りになるのが特徴で、木の自然な風合いを楽しむことができます。
ナチュラルまたは白くて明るいインテリアがお好きな方にはお勧めの、経年変化を楽しめる仕上げです。また自宅で石鹸水を使って手軽にメンテナンスもできるのも魅力の1つです。日常のお手入れはぬるま湯に浸してしっかり絞った柔らかい布で拭いてください。
自然塗料を使った仕上げのメリットは、木の温かな質感や色味や艶などの経年変化を楽しめること、自然の素材を使った塗料なので身体に優しくお子様にも安心して使用ができるコーティングであることです。
一方で、木が呼吸している状態を保つ仕上げなので使用環境によっては乾燥や反りに繋がること、水や汚れに弱いので注意が必要なことがデメリットとして挙げられます。しかしきちんとメンテナンスを行えば乾燥を防げるのはもちろん、お手入れを繰り返せば水や汚れを弾きやすくなるので長く美しく使い続けることができます。
水分によってできてしまった輪染などはもちろん傷や凹みに対しても、ご自身である程度メンテナンスができるのも嬉しいポイント。丁寧に手間をかけ育てるようにメンテナンスした家具は、愛着がわき暮らしをより魅力的に変えていきます。次からは自然の塗料を使用した家具のメンテナンスの工程を見ていきましょう。
お家でできる無垢材家具のメンテナンス
ソープ仕上げのメンテナンス
ソープ仕上げは石鹸の脂肪分が木材の導管に残り汚れから木部を守る仕上げになりますので、メンテナンスは石鹸水で家具を洗い再コーティングする方法になります。手垢などの汚れだけでなく経年変化の色味の変化も落ちますので、しばらくメンテナンスをしていらっしゃらない方は目立たない部分で試してみることをお勧めしております。
【用意するもの】
- きれいなタオル
- 石鹸(無着色・無香料の純石鹸)
- カッター
- 洗面器など石鹸水を作る容器
- スポンジ
- お湯1L
- 必要ならばビニールシート、マスキングテープ、ティースプーン
①石鹸をカッターでフレーク状に砕きスプーン約5杯分のフレーク状の石鹸をお湯1Lに溶かして冷まします。
②スポンジに溶液を浸して軽く絞り木目に沿って全体を洗っていきます。テーブルの場合は湿度を均等に保つために裏も同じように洗います。
※必要であれば座面部分をビニール等でマスキングしてください。
③拭き残しはシミの原因になるので余分なソープの泡は乾く前に拭き取ってください。
※過剰に水分を与えると乾燥中に基部が割れることがあります。次の工程の”乾燥”は必ず行ってください。
④日陰でしっかり乾燥させます。
※ドライヤーや直射日光などで急激に乾燥させると割れの原因になります。
⑤毛羽立ちが気になる場合には完全に乾いてから#400以上のサンドペーパーで軽く研磨してください。
※研磨しすぎると石鹸の表面コーティングも取れてしまいますので軽く行ってください。
※濡れた状態で使用しますと木部が毛羽立ちます。
以上でソープ仕上げのメンテナンスは終了です! こちらのメンテナンスを4週間から6週間に一度行うのがおすすめです。
オイル仕上げのメンテナンス
【用意するもの】
- 家具用オイル
- ウエスなどきれいな柔らかい布(いらなくなった布など)
①オイルをウエスに少量取り木目に沿って全体に薄く伸ばします。
②5分~10分ほど置いてからきれいな乾いた布で拭きます。
③一晩しっかり乾かしよく乾いていることを確認してからご使用ください。
※表面のザラ付きが気になるようでしたら④と⑤を繰り返します。
④オイルを少量取り#400のサンドペーパーで木目に沿って研磨してください。
⑤オイルが乾く前にきれいな乾いた布で拭き取ります。
オイルを含んだ布は自然発火する可能性がありますので十分に水に浸しビニール袋などでしっかり密封してから捨ててください。以上でオイル仕上げのメンテナンスは終了です! こちらのメンテナンスは年に2度から4度ほど行うのがお勧めです。
メンテナンスグッズ選びに迷ったら…
以上がソープ仕上げ、オイル仕上げのメンテナンスの手順になります。多少の傷・汚れ・輪染みがついてしまった際はサンドペーパーで研磨し、上記のメンテナンスを繰り返すことで目立たなくなります。家具用のオイルといっても何が良いかわからない…と不安に思われる方は、ドロフィーズインテリアを訪れてみることをお勧めしております。店頭では家具メンテナンス用のオイルはもちろん、フレーク状になった石鹸などもご用意しておりますので、気軽に家具のメンテナンスをお楽しみいただければ幸いです。
共に歳を重ねて行くことができる家具選びで豊かな暮らしを
安価でおしゃれなデザインの家具が次々発売される今日この頃。そんな中で、丁寧に手間をかけてメンテナンスしながら共に年を重ねていくことができる良質な家具は、気づけば世界で1つだけのあなただけの家具になっているのではないでしょうか。そんな家具がある暮らしを始めるために自分だけの家具探しを始めてみませんか?
ドロフィーズインテリアでは北欧名作家具をはじめとした、良質な垢材家具を多数取り扱っております。インテリアアーティストがあなたの家具選びについてアドバイスもできますので、お気軽にお立ち寄りくださいませ。
小林紗代里 / インテリア・アドバイザー
人気記事
POPULAR
おすすめカテゴリー
RECOMMEND