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はじめに
フィンランドを代表するブランド「マリメッコ(marimekko)」。
サウナやライ麦パンと同じぐらいフィンランドを象徴するものです。
ビビットなカラーと細部までこだわった上質さ、そして少しのユーモアがあるデザインはインテリアや食卓、ファッションなどに一つでも取り入れるとパッと明るい世界に包まれていつもの日常が楽しくなります。
そのマリメッコのデザイナーは同じようにパワフルでエネルギーに満ち溢れて方々です。今回はその中から人気のあるデザインを手掛けている3人の女性デザイナーを紹介します。
マリメッコの事
1951年にフィンランドでアルミ・ラティアという一人の女性によって創設されました。
マリメッコというブランド名に込められた想いをご存じでしょうか?直訳すると「マリのドレス」になります。
ただ他の意味・想いも込められています。MEKKOはフィンランドの古い言語で「小さな女の子のドレス」という意味です。
これはフィンランドの伝統とのつながりを意識しながらも、戦後の暗い世の中を明るくしたいと新しくフレッシュなスタイルをイメージしたマリメッコの思いがぎゅっと詰め込まれている言葉です。
この想いを軸にして、流行を作ったり流れに乗ったりするのではなく、ブランドの想いを貫いて1つ1つ丁寧にデザインされたからこそ普遍的でどの時代でも国でも愛されているのではと思います。
マイヤ・イソラ
マリメッコ最初の社員です。絵画を描く時に使用する絵筆でデザインされた大胆でダイナミックな雰囲気が特徴です。それはマリメッコの想いを体現しているデザインで、アルミ・ラティアからの信頼が高かったデザイナーです。
仕事はほとんどお家で行っていたようで、今で言う在宅ワークといったところですね。生涯で500種類以上のデザインを手掛けているほどのパワーがあるレジェンドデザイナーです。
ウニッコ(1964年)
マリメッコの中でも一番知られていると言っても過言ではないデザインです。ポピー(けしの花)をモチーフにしています。
このデザインが世に出るまでには経営者とデザイナーの想いのぶつかり合いがありました。
アルミ・ラティアはマリメッコ創業から一貫して花はデザインしないとしていました。花はそのままで綺麗でそれには勝てないとの考えでした。
でも、自然を愛したマイヤ・イソラは花をモチーフにしたウニッコを「これならどうですか?」と提案してそのインパクトと新しさにアルミ・ラティアはOKを出したそうです。
マーライスルース(1964年)
フィンランドの言葉で「田舎のバラ」という意味です。
町のお花屋さんに並んでいる気取ったイメージではなく、自然の中で風に吹かれながらのびのびと力強く育っている雰囲気ですね。それはマイヤ・イソラが描いた手書きの線から感じられるのではないでしょうか
マンシッカ(1967年)
フィンランドの言葉で「イチゴ」という意味です。
2020年の春に復刻販売されて大変話題になりました。赤と緑とシンプルなカラーで構成されているデザインは、イチゴ一つ一つの可愛いさを引き立たせてくれています。マイヤ・イソラも微笑みながら描いたのかなと想像してしまうようなデザインです。
マイヤ・ロウエカリ
ヘルシンキ芸術デザイン大学を卒業。在学中に参加したデザインコンクールで優勝しそれをきっかけにマリメッコなどのデザイナーとして活躍しています。
大胆なスケッチのようなデザインが多く一つ一つの線からはパワーを感じます。2018年には日本のアパレルブランドともコラボし話題になりました。今も第一線で活躍しているデザイナーです。
ヘトキア/モメンツ(2003年)
在学中に優勝したコンペでデザインしたものです。
この事きっかけで彼女のキャリアがスタートし、マリメッコの新しい扉を開いたとも言われています。「ひととき」との意味があるこちらは異国情緒の中に人々の行き交う日常がある、北欧の街並みのワンシーンが切り取られたデザインです。
都会の騒がしさもありながらモノクロの色使いで全体的に落ち着きのあるものになっています。ひとつの絵としても楽しめるのでカーテンやタペストリーとして使用するのが良さそうですね。
シールトラプータルハ(2009年)
市民菜園という意味のデザイン。せわしない都会からふっと抜け出して野菜やお花がいきいきと育つ市民菜園に足を踏み入れたイメージです。マイヤ・ロウエカリの特徴でもある線で描かれた野菜やお花からは生命力が伝わってきます。線のユニークさからどこをとっても楽しいデザインです。
エルヤ・ヒルヴィ
ヘルシンキ芸術大学で学んだ後にデザイナーとして活動しています。マリメッコのデザイナーとしては1995年からになります。
旅行をしながら目にした自然やお庭、街並みを題材にして日常と空想の世界をミックスしたようなデザインが特徴です。
デザインする時テーマを大切にしています。3つの手段からテーマを作っているそうです。
一つはピカッと稲妻のように浮かぶアイディア、二つ目は興味がある物をよく観察する、三つ目は頭に浮かんだイメージを形にしていく事です。このことから好奇心と探求心に満ち溢れた方ということがわかりますね。
ルミマルヤ(2004年)
「雪いちご」という意味があるデザインはマリメッコの定番品で大変人気のあるものです。
木の枝は本物の木を職人さんの技術で転写しているため独特な雰囲気を醸し出しています。そこに実るかわいい果実はエルヤ・ヒルヴィの手書きの絵です。背景の白い余は、深い雪原なのかなと想像しては、遠い北欧の自然を感じられる作品です。
プルヌッカ(2008年)
エルヤ・ヒルヴィがスープのレシピを見ているときに思いついたデザインです。
小さな瓶という意味の通り、様々な形の瓶にお野菜が漬け込まれている様子が微笑ましく描かれています。じっくり見ていくと瓶の中で野菜が踊っているようにも見える楽しい雰囲気のデザインです。
まとめ
マリメッコの中で人気のあるデザインとデザイナーを紹介しました。
マリメッコに関わりのある方の事を知ると、ブランドやデザインに込められた想いや情熱に胸をうたれます。それがあるから人の心を動かして世界を時代を越えて明るく世界を包んできたのだと思います。
そのことは、ドロフィーズにいると良くわかります。マリメッコを身に着けたり買い物をしたりしている方を見ているとパワーに満ち溢れて笑顔になっている姿を目にします。それが何よりもの証拠です。
マリメッコを手に取った瞬間、きっと皆さんの世界も明るく包まれて日常がより楽しくなりますよ!
鈴木芙美子 / インテリア・アドバイザー
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