丁寧な暮らし- スウェーデン生活からの贈り物

Isskulptur (氷の彫刻)

WRITER

新谷 友海 / スウェーデン在住ライター

IMG_20200113_152750.jpg

先日、街の広場にIsskulpture(氷の彫刻)が登場しました。数年前から始まったこの出しもの、毎年アイスホテルの内装の彫刻なども手掛ける著名なアーティストが来てライブで彫刻をするのですが、今年は本当に寒くないので翌日に見に行った時はほんの少し角が丸くなり解けていました。

今年の彫刻を手掛けたのはアーティストのLena KriströmさんとNina Hedmanさん。彼女らが語った舞台裏によると、この日この彫刻をするためにほぼスウェーデン最北部に位置する、アイスホテルで有名なユッカスヤルビから約1週間かけて輸送してきたそうです。

IMG_20200113_152806.jpg

コチラの彫刻も、温度で角が丸くなってしまっていますね。
Lenaさんによると、氷をよく見てみると様々な模様が中にあり「宇宙」のようなので、どの模様がどの位置にくるか氷の塊を見てよく決めるそうです。


IMG_20200113_152828.jpg

Lenaさんは氷以外の彫刻もするそうですが、氷は特に素早く作業をしなければならないとのこと。しかし彫る用の氷は1.5~2トンと大変大きいので、大きな彫刻を彫り上げるチャンスも大いにあるのが氷の彫刻だそうです。

IMG_20200113_152823.jpg

それぞれの彫刻にはタイトルがついており、1枚目左側のユニークな形のものは「液晶の時間 3」と名付けられていました。
Lenaさんは、「彫刻を掘る前の氷自体がそもそも様々な模様や気泡があり大変美しく、私がこんなに氷に惹かれるのはきっと私たちの大部分が水から成っているからでしょう。」と語ります。氷そのものを大変愛している様子が伝わってきます。

pnc805ca188mbpl1gd77sl64tyn2bxg.jpg

Photo: Sofie Tejre

こちらが実際に今回ご紹介した写真の氷の彫刻を掘っているLenaさん。チェーンソーを使用して豪快に氷を削っていきます。チェーンソー一本で繊細なシェイプも造ってしまうのですから、すごいですね。今年は残念ながら雪も無く解けるのが早い気候でしたが、来年は例年通り雪が積もる冬気候の中このイベントが出来るといいなと思います。

IMG_20200113_152639.jpg

さて、日本より少し遅れていますがスウェーデンはそろそろ1月最後の日が終わります。明日の気温はなんと最高気温8度!8度といえば、4月下旬頃でもおかしくない気温です。今回氷の彫刻が早く解けてしまった事をお伝えしましたが、毎年街に冬の間設置される野外スケートリンクも、今年は暖かく解けてしまうという事ですでに1月上旬に撤去されてしまいました。異例な事です。

このまま春になるまでこの調子の気候なのかな?と思うと冬の感じがせず残念な反面、自転車にも楽々乗れて交通の面では不便がなくありがたいなあと思っている今日この頃です。

丁寧な暮らし- スウェーデン生活からの贈り物

Fine Pick Up