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建築デザイナーがお勧め ライフスタイルを豊かにする観葉植物がある暮らし

WRITER

金指麻美 / 建築デザイナー&一級空間意匠士

建築デザイナーがお勧め ライフスタイルを豊かにする観葉植物がある暮らし

はじめに

家を新しくするとき、間取りや内装を決める際に家具は決めても後回しになりがちなのが、観葉植物。

また、観葉植物というと小さなお子様がいるご家庭や、あまり家に滞在することのない賃貸住宅での暮らしでは「手間がかかりそう」「邪魔になりそう」などのイメージから敬遠されることも多かったのですが、最近は植物のある暮らしへのあこがれを口にする方が増えています。

実は観葉植物が空間に与える印象はとても大きく、さらに植物があることでライフスタイルそのものが大きく変わることがあります。植物がある暮らしは、あこがれのライフスタイルとデザインを一気に実現できる方法なのです。

今回は建築デザイナーの目線で、観葉植物のある暮らしをご紹介します。

 

観葉植物のある暮らしは、こんなにライフスタイルを豊かにする

植物を育てることによって、自然とライフスタイルが変化することがあります。
私こそ、植物との出会いでライフスタイルが少しずつ変化していった張本人です。

その体験を基に、日常に起こる変化のひとつひとつはとても小さいのですが、その小さな変化こそが本質的に心を豊かにしていくことに繋がっていきます。

季節の移り変わりを部屋の中でも感じる


仕事中はずっと建物の中にいて、日常生活の中で季節を感じる瞬間が少ない人も多いのではないでしょうか。植物には葉っぱが芽吹いたり、花を咲かせたり…毎日ほんの少しずつ変化があります。普段は見逃してしまいがちですが、朝起きたときや水やりのタイミングでそれに気づく瞬間がありますが、それこそがなんとも心が温まるのです。
「自然を感じたい」という人間の深層心理こそ、コロナ禍を経て、お庭やお花へのご要望が増えている大きな要因ではないでしょうか。

今の家でもおしゃれな空間を楽しめる

憧れの家具をすべて揃えることができればいいのですが、新築したり引っ越したりするタイミングは出費も多く、そこまで手が届かない方もいらっしゃると思います。また、賃貸で手を加えることができないフラストレーションも多く聞きます。
植物の良いところは、『今』に+aすることができることです。

壁面を印象的にする

デザイナーとして、間取りを考えながら大事に検討する要素の一つに「どの壁面を空間の見せ場にするか」ということがあります。最近はSNSの普及でお客様自身が様々な情報を手に入れることができます。しかし、一つ一つは素敵で魅力的であっても、重なっていくことでごちゃごちゃしてしまったり、すべてが魅力を感じられないようなケースも見受けられます。情報があふれている現代だからこそ、明確な空間の見せ場があることこそ、その人らしさを感じ惹かれます。
自分自身で見せ場を決めていくことは大変だと思いますので、まずは「どの壁を素敵に見せようか」と考えていくことがおすすめです。
それを実現するのに、植物を置くという選択肢はとても簡単でだれもが実践しやすいのが魅力です。

たとえば、シンプルな壁面に鉢植えの植物をひとつだけ置いてみます。空間が一気に華やぎ、もともとのシンプルさが引き立ちます。
自分の目の前の空間が素敵にみえると、その部屋にいる時間がとても楽しくなりそうですね。

カーテンを開け、換気する習慣を大切にする

植物は日光と風が大事。それを理解し植物を大切に育てようとすると『朝の5分だけでも窓をあけようかな』という気持ちになるものです。そして植物のために換気をしたことが、結果的に夜のうちに室内にたまった湿気を逃がし、カビや建物の劣化を防いでくれたり、現代の気密性の高い住宅で起こりやすいといわれているシックハウス症候群を防いでくれたり…と人間と住宅にとっても良い影響を与えてくれます。


コロナ禍で「花を買うようになった」という方が多いのは、存在意識の中でその豊かさを求めているからかもしれません。

 

おすすめ植物5選

建築デザイナーの目線でおすすめする植物を5つピックアップしてみました。

ゴムノキ


楕円形の葉っぱが特徴的なゴムノキ。樹形が面白いので、その空間の主役になる存在感があります。
カジュアルな雰囲気から整ったモダンなテイストの崩しのアクセントにまでなる万能さも魅力です。

 

エバーフレッシュ

涼しげな明るい葉っぱのエバーフレッシュは最近instagramで見かける『おしゃれなカフェ』といわれるリノベーションテイストのカフェにも多く採用されていることもあり、今とても人気の高い植物です。繊細な葉っぱはそれだけで雰囲気があり、すっきりとしたシンプルなインテリアや内装にもよく合います。

ドラセナ・コンシンネ

濃いフローリングを使用した完成見学会にディスプレイすると、高確率で『見学会が素敵だったので!』と購入された報告をいただくのがドラセナ・コンシンネ。
笹の葉のような細長い葉っぱは品種によって色が異なるため、インテリアにも合わせやすいのも魅力。大人っぽい雰囲気はほかの植物にはない存在感です。

アジアンタム


ちいさな葉っぱがふさふさした愛らしい植物、アジアンタム。かわいらしいテイストがお好きな方だけでなく、無機質になりやすいキッチンまわりにもよく合います。
複数の植物を部屋に置いてボリュームを出したい方にもおすすめです。
伸びてきた葉をグラスに入れて、ダイニングや玄関などで一輪挿しとして楽しむのも良いですね。

ウンベラータ


ハートの形をした葉っぱのウンベラータ。ゴムの木にもよく似ています。葉が薄く大きく、幹がくねっと曲がっており50cmほどでも存在感があるので、広い部屋や壁面に置きたい方、植物はひとつだけ置いてアクセントにしたいという方におすすめです。
幹が白いのも特徴で、かわいらしいテイストや北欧ナチュラルな内装にもよくなじみます。

モンステラ


大きな葉っぱが特徴のモンステラ。最近では美容室やカフェで置かれることも多くなり、以前の『南国風』という印象は薄くなっています。
濃い緑色が特徴的で、木やタイルといった素材感のある壁面とあわせても負けない存在感があります。玄関においてウェルカムツリーとしても良いですし、剪定で切った葉っぱをベッド脇や水回りにおいても印象的になるのは、大きい葉っぱのモンステラならではです。

 

まとめ

Withコロナ時代のこれから、家というものはただ寝るだけではなく、職場であり、リゾートであり、癒しであることが求められるようになってきます。
ぜひ小さな変化から、毎日の暮らしを楽しんでみてくださいね。

WRITER

金指麻美 / 建築デザイナー&一級空間意匠士

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