家づくりの叡智- 家づくりの検討・比較

浜松で「二世帯住宅」を建てる上での注意ポイントとは

浜松で「二世帯住宅」を建てる上での注意ポイントとは

この浜松地域では、ご両親と同居もしくはご両親と同じ敷地内に、という若いご家族も増えてきています。それは、夫婦共働きで子供を親に見てもらえること、近くに子世帯が住んでくれると親世帯はもしもの時に安心など、親世帯・子世帯にとっても双方が自由な時間を確保しつつ身近な家族として互いに助け合いながら、好いとこ取りで程よい距離感で寄り添って生きていけるといった理由で、二世帯での新築を検討させる方が増えています。

加えて、他の政令指定都市と比べても浜松は比較的土地価格が安価であったり、またご両親様が農地を所有しているとその土地を宅地として転用できたり、さらには浜松市が指定するエリアで一定の年数居住した人には安い農地を特別に住宅用地として購入できる大規模既存集落という制度もあるからです。

そのような理由もあり、利便性とともに自然豊かな浜松エリアでの無理のないライフスタイルを実現できる住宅づくりに人気が出ています。そこで今回、子世帯・親世帯ともに満足できる二世帯住宅を建て、豊かに暮らすための成功ポイントをお伝えしたいと思います。

 

二世帯住宅づくりを成功するためにゆとりあるスケジュールを

二世帯住宅を建てるということは、単世帯の約2倍の人数が同じプロジェクトに関わることを意味します。単世帯住宅よりも意見・希望・要望を調整する時間がかかると考えた方がよいでしょう。また計画をスタートしてから着工までの期間も1.5倍~2倍は見ておいた方が安心でしょう。

単世帯の場合に必要な期間が3か月~6か月とすると、6か月~1年の打ち合わせ期間をしっかり確保して、互いの意思疎通が中途半端にならぬようにしなければなりません。親しいからこそ言いにくいことも中には出てきます。そういう時は、さりげなく住宅会社の担当者を介しながら互いの希望を調整した方がスムーズにいくことも多くあります。特に嫁姑という問題はいつの時代にも存在します

若奥様が嫁として二世帯に同居される場合は、家づくりについての発言を遠慮しながらの打合せになる可能性もあります。もし言いたいことが言えず我慢していたならば、奥様にとっては生活を始めてから使いづらい・住みづらいというストレスにつながり、日常生活に支障をきたす危険性もあります。だからこそ、二世帯住宅計画では家族で一番立場の弱い人に配慮できる話し合いができるかどうかが成功の決め手です。声の大きな人の意見だけが通っていくような家づくりはあってはならないと考えた方がいいですね。

 

二世帯住宅を建てる準備として大切なこと

二世帯の共同作業となる計画では、始める前に「役割分担と配慮ポイント」を家族で話し合うことがとても大切です。幸せになるはずの家づくりにもかかわらず、途中でもめ事が起こったり、家族関係がぎくしゃくしたり、完成後もシコリが残ってしまうのは、この「役割分担と配慮ポイント」を軽く見てしまい、計画スタート時に十分な話し合い無く何となく進めてしまうことが原因であることが少なくありません。

役割分担と配慮ポイントとは、

■お金や名義のこと

  • 自己資金を誰がいくら出すか
  • 借入れは誰の名義で借りるか
  • 土地・建物はそれどれ誰の名義として登記するか

■住宅会社選びや業者のこと

  • 親子で一緒に会社選びをするのか、子世帯が探してくるのか。
  • 親子双方が会社選びで大事にしたいポイントは
  • ハウスメーカー系なのか・地元工務店系で検討するのか
  • どうしても知合いに頼みたい業者があるか

■土地の使い方

  • 家が完成してお庭でやりたいコトは?後々それによって配置計画に影響するため。
  • 車は何台駐車するか

■住宅会社との打合せの仕方について

  • 親子世帯での共有スペースをどう考えるか。
  • 互いで話し合うべきことと世帯相互で干渉しないと約束すること
  • 建物を建てる上で「ここだけは譲れない」「大事にしたい」と思うこと

すべて確定する必要はありませんが、互いの気持ちを確認しておくことが大切なのです。

このような話し合いを進めておくことで、ある程度の方向性や家族のベクトルが合った状態でスタートできます。家族の立ち返る共通の基準を持つことで、後に変更することがあっても共通認識を基に調整することができとても楽になります。

 

二世帯住宅のタイプとは

二世帯住宅のタイプとしては大きく3パターンに分かれます。

①完全同居タイプ
玄関が一つ、水回り(キッチン、お風呂、洗面、トイレ)の全てを二世帯で共同使用するパターンです。二世帯住宅において最もコストを抑えられるタイプです。二世帯が一緒に過ごす時間をできるだけ多く取り「一つの大家族」を分ち合える住まいのカタチです。デメリットは生活スタイルの異なる世帯が同じスペースを共有することです。家族同士での配慮や気配りがストレスにならない関係性が出来上がっているご家族には向いていると思いますが、十分な空間的配慮が必要な計画になります

②完全分離タイプ
①と逆で玄関も水回りもすべて別々に作るというカタチです。このタイプは最もコストがかかる二世帯住宅のスタイルですが、現在では最も多い二世帯住宅のスタイルでもあります。一緒に暮らす時間だけでなくそれぞれの世帯の自由な時間を大切にすること、お互いの生活スタイルや趣味嗜好を尊重できること、また気兼ねなく自分たち世帯の習慣で水回りを使えるなど、親しき中にも程よい距離感がある方が近くでもストレスなく居られます。室内扉で互いの世帯を行き来できるようにしたり、家族であっても来客と同じように玄関からのインターフォンで呼びかけて行き来できるようにすることもあります。

③共有スペースありの分離タイプ
このタイプは①と②の中間の好いとこ取りです。例えば、玄関は一つだが、水回りはすべて別々。または一つの玄関とリビングを全員で使うがその他の水回りは別々など、パターンは無限です。このカタチを実現する上で重要なのが、二世帯で互いに共有しあうポイントをどこに決めるのか? その際に起こりうる事を互いが許し合えるかどうか? をしっかりと話し合いルールを決めておくことです。それができ、守れる家族関係であることが、完成した後にストレスなく楽しい会話の弾む住まいとなります。

 

共有スペースの考え方で二世帯住宅のタイプの方向性を決めるポイントとは

共有スペースをどう考えるかによって上記のタイプを決めましょう。そのポイントは誰かがストレスを感じないか?をチェックすることです。

  • 生活時間の違いを把握する
  • インテリアの趣味嗜好の違いを把握する
  • 落ち着きたい時に一人になれる場所が必要か?互いを理解する
  • 水回りを二世帯で使うことにストレスはないか?
  • 音の問題はどうか?
  • 来客などそれぞれの世帯での新築後の家を通じての人付き合いは?
  • 親子であっても見たくないもの・見せたくないものなど

このような視点で、もし「一緒に」がストレスを伴うと感じたら、できるだけ無理せずに分離しておくことをお勧めします。ですので、②のタイプを基本とし、もし双方が許されるならどこを共有にするか?という方向から③の検討へ。そして、もし、全員の合意があるならば①へという流れで、家族皆で話し合いを進めるとスムーズにいくことが多いようです。

 

二世帯住宅の空間の構成種類

二世帯住宅の空間構成は大きく2パターン、上下で二世帯がつながるタイプ(一階と二階でつながるタイプ)、もしくは横で繋がるタイプ(二棟が並ぶようにつながるタイプ)があります。

敷地条件、周辺環境、音を気にするご家族の有無、中長期での空間の活用方法、ご家族様の多様な条件や要望によってどのタイプでいくのか? このあたりはご自身で悩むよりも建築士や住宅会社にあなたの要望やご家族の関係性を伝え、プロの提案を楽しみにしながら、あなたの暮らしに合っているかのジャッジを繰り返すことで、どういう形状があなたのライフスタイルにマッチしているのかが次第に見えてきます。

二世帯住宅の各部屋は、建てた時の使用目的から10年、20年、30年と年月が経つと、家族構成が変化したり、使う用途を工夫すべきことも起こります。だからこそ、今、ご自身が思うカタチだけで計画を固めるのではなく、多くの経験を持つ建築士や住宅会社の叡智をうまく活かすことが、二世帯住宅という決定事項の多いプロジェクトにおいては大事なのです。

 

よくある失敗事からの学び活かそう

二世帯住宅を建てる上での成功失敗を決めるポイントは二つです。一つ目は「計画段階の家族同士の合意形成」です。それは、先にお伝えしたことです。世代を超えて議論する場合、双方が無理をしたり、感情をむき出しにしてしまったり、また立場の弱い若奥様の気持ちがないがしろになったり… など感情のもつれで計画が上手く進まないことがあるのです。だからこそ、役割分担と配慮ポイントを意識して二世帯での話し合いの場面に活かしてください。その話題を基に、合意形成をどのようにしていけばスムーズに進めていけるかをあなた自身が感じ取り、別世帯との今後の話し合い方法を工夫していくことで、互いが配慮する中で計画を具体的にしていけることでしょう。

そして二つ目は、「家族同士の空間的な距離感づくり」です。特に二世帯の場合は、家族一人当たりにおける空間容量が小さくなりがちで、さらに生活習慣が異なる世帯の同居となると、そもそもの計画自体がストレスとなる多くの要素があることは先に述べました。だからこそ空間が小さくても住んでみたら何とかなるかも…というような、最初から自分の居場所が窮屈な計画をしないことが大切です。

家族同士でも敢えて空間的な距離感を作ることで心のバランスが保たれ、それによって絆が強くなるものです。自らの程よいテリトリーが確保できる場をつくること。そして、互いが程よい距離感で見守ることができるような間取りづくりによって、心穏やかに親や子たちと暮らせる日々が待っているのです。

単世帯ではなくご家族人数の多い二世帯住宅をつくる上での注意ポイントと、成功への秘訣の一部をお伝えしました。解決すべきことや問題・課題が、計画が進むにつれどんどん出てくるのはどなたの計画でも同じです。その時に安心して一歩ずつ実現への階段を上っていくための一つの参考にしていただければ幸いです。

家づくりの叡智- 家づくりの検討・比較

Fine Pick Up