家づくりの叡智- 家づくりの検討・比較

浜松で和室のある住宅を建てる秘訣

浜松で和室のある住宅を建てる秘訣

近年、新築やリノベーションを計画する際に、より日々の日常で使いやすい畳のある空間を検討される方が増えています

2000年〜2019年頃まで新しい家を建てる方々には「畳の空間はいらない」もしくは、「コストを抑えたいので和室より洋室を」など、和室ニーズが下がった時期がありました。当時は、畳は表替えが必要だからメンテナンスを考えても洋室の方が… などの実用性重視の家づくりが増えました。長引く景気低迷とローコスト化によって、暮らしの豊かさよりも、家は最低限に抑えて、その分、以前のように外出して遊べるお金も残したい… という志向も影響していたのではないでしょうか。

しかしコロナによるStay Homeを経験し、家で長く過ごす時間を見直す機会が増し、実は家では低い姿勢で座ることが心身ともに日本人には合ってることや、畳という自然素材に触れることで気持ちが休まることなどから畳のある空間が見直され、そして希望される方が多くなっています。今回は和室という概念にとらわれない畳空間を有効に活用する方法をお伝えしたいと思います。

 

なぜ浜松で和室や畳空間を希望される方が増えているのか?

自然豊かな浜松エリアでは、趣味を自宅で実現できるライフスタイル型の新築を検討される方が多くいらっしゃいます。そのような方々から、温暖なこのエリアの生活では地元材や無垢の床材を活用して素足で心地よく暮らしたいというニーズが高まるのも納得がいきます。実際のところ、新築するとスリッパを履かず素足で床の温かみを感じる暮らしをしている人がとても多いようです。アパートのように合板の床や自然素材ではない床材ではなかなか素足で暮らそうとは思えませんが。

そして和室は来客時のための客間として… そんな固定概念も無くなりつつあります。もちろん、来客の多い家庭では普段使いせずいつでも使えるように空けておくということもありますが、一般的な子育て世代では、来客用でもありながらも家族にとって普段使いできるもう一つのくつろぎの場という位置づけで、暮らしを豊かにする空間として考える方が増えたのです。

 

多彩な活用方法

和室や畳空間の個性的な使い方をご紹介します。

  • リビングに隣接して一段上がった畳コーナーとして
  • 最も家族が集まるリビング床の仕上げを畳に
  • ダイニングを掘りごたつにして畳に座って食事
  • 家族のユーティリティースペースとして2階のセカンドリビングを畳に
  • ご主人のリモート空間の座面を畳に
  • 和室を着付け室や趣味の茶室として
  • 小さな瞑想室を設ける

などなど、これらは実際に私たちが設計デザインをした事例のほんの一部です。

このように、和室の中の畳だけではなく洋室に畳をという発想によって使い方が無限になるのです。そして、畳コーナーを小さくつくることで天井を低めにして落ち着きのある空間を演出できたり、壁面を個性ある色にして他の部屋とは異なった雰囲気で心の変化を促すこともできるのです。

 

畳の効用について

● 調湿効果
畳は、畳表のい草と畳床でできています。4畳半~6 畳間では、約2L~3Lの吸湿能力があるそうです。湿度の高い季節はい草が湿気を吸収し畳床の中の空気が湿気を放出しながら、そして乾燥した時期は蓄えた湿気をゆっくりと吐き出すのです。こうして自然の循環の中で、畳は高温多湿な日本の気候に最適な自然の湿度調整性能を発揮しているのです。

● 遮音効果
空気を多く含む自然の柔らかな素材である畳は防音や遮音性にも富み、余計な音を吸収して騒音や不快音を遮断します。床表面にソフトな素材を使うほど衝撃音が吸収されるという実験結果があり、畳の部屋では、おもちゃを落とした高い音、重量のあるものを落とした低い音どちらも吸収するので、特に2階で子供が出す音を吸収できるということで二世帯住宅の子世帯で使うケースも増えています

● 断熱・保温効果
断面がスポンジのようになっているい草でできた3cm~6cmほどの厚さの畳床にはたくさんの空気が詰まっていて、その空気は熱を伝えにくいという性質があります。冬は畳が冷たい空気をシャットアウトしてお部屋に蓄えた熱を逃がしません。夏場はその逆で外気の暑さを部屋に伝えません。そのため、冬は暖かく、夏は涼しく、快適なお部屋で過ごすことができます。天然素材の断熱性と保温性が高断熱化住宅の普及とも相性が良いのです。

● リラックス効果
爽やかで清々しいい草の香りには癒しだけでなく鎮痛効果があるそうです。また、い草本来の「干し草の香り」に、泥染めの時に使う「染土の香り」が混合されることによって生まれる畳特有の香りには、精神安定の効果があるとする研究もなされています。この香りは嗅覚的にも優しいそうです。畳は空気を浄化しながら、さらに、草花の香を感じるのと同じようなリラックス効果をもたらしてくれます

 

畳のシンプルお手入れの秘訣

せっかく取り入れた畳のある丁寧な時間をより快適に気持ちよく使うためには、普段のお手入れが大切です。そこで、畳に合ったお手入れやお掃除方法を簡単にご紹介します。日常生活の中で自然素材である畳のことを少し気にかけてあげるだけで、畳の寿命が格段に伸びてより永く楽しめるだけでなく、健康にも良い、清潔で気持ちのよい畳生活を送ることができます。

日々のお手入れは雑巾掛けで

行うことはシンプルです。乾拭きをするということ。やってはいけないことは濡れた雑巾で拭いてしまうことです。濡れた雑巾で拭いてしまうと、畳特有の光沢のツヤ感が失われてしまいます。水を使わず必ず乾拭きで雑巾がけしましょう。水気は畳の大敵、基本的には 乾拭きだけで充分です。

今どきは掃除機で畳を掃除する方も多いのではないでしょうか。その際のポイントは「必ず畳の目に沿って掃除機をかける」こと。そうすると、畳の目に詰まっているホコリや隠れているダニも吸い取りやすく、畳の目に沿わずに掃除機をかけてしまうとせっかく綺麗にするはずのお掃除で畳を痛めてしまうこともありません。お掃除のコツは畳をいたわりゆっくり丁寧に。そうすると畳が喜んでいるかのように見えてきます。

汚れが酷い場合には水で薄めた酢を使って拭くときれいになります。畳の縁( ヘリ) を掃除するときは、歯ブラシ等に中性洗剤をつけて軽く叩くようなイメージでゆっくり汚れを拭き取ります。うっかりタバコなどで焼け焦げを付けてしまった場合は、歯ブラシなどで畳の目に合わせて擦ってみてください。黒くなった部分の色が薄くなり目立たなくなります。

畳にとって大切なことは湿気対策

湿気が多い季節のある日本の自然建材である畳は、湿気が多いからといってすぐに傷むものではありません。ただし快適に長く畳を使うためには定期的に対策を行うとより畳生活を気持ちよく過ごすことができますのでお伝えします。

晴れた日は、部屋に風を通すために窓を開けて空気がこもらないようにするとよいでしょう。日当りの悪い部屋や北向きの部屋のように湿気が溜まりやすい部屋や、梅雨の季節はカビ発生の対策にもなります。普段から風通しを良くすることでカビは防げますが、それでもカビが発生してしまった場合には、畳の目に合わせてブラシをかけて見えるカビを取り除きます。その後、防カビ剤や消毒アルコールを含ませた布で拭いておけば予防にもなります。

できることなら年に1~2回は畳を天日干ししたいものです。浜松は快晴率が高いので、その気候を利用して畳を乾燥させカビやダニの発生を予防するのに日差しを活かすことができます。自然素材で快適な時間を過ごす恩恵を味わうためにも畳にも日光浴天日干しによって畳の張り替えの時期を延ばすことができます

 

まとめ

和室のある暮らし、新たな畳空間の活用方法、日本にある自然床材として可能性の再認識が進み、畳はこれから益々ニーズが高まる気配を感じます。そして、畳空間は海外で高く評価されています。ハリウッドスターやシリコンバレーの数々の企業内施設、そして米国IT企業経営者の自宅などにもZEN空間としての和室や畳空間を取り入れています。それは、シンプルさの中にある普遍的な価値が見出されている和室から醸し出される「心」と「自然」と「空間」が一体となって、人々の気持ちに安らぎとともにインスピレーションを促す効果を感じているからだと言われています。

そのように海外からの評価や人気によって日本人が和の文化を再認識する事例は、和室や畳だけではありませんね。四季を味わい自然とともに生きる人としての「日本的な価値観の在り方」が見直されていることを感じ取れます。ぜひ家づくりをご検討される上で、和室や畳空間づくりのご参考にしていただけると嬉しく思います。

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