家づくりの叡智- 家づくりの検討・比較

もう迷わない!
三度の家づくり経験者が「会社選び」で優先したことベスト5

もう迷わない!<br>三度の家づくり経験者が「会社選び」で優先したことベスト5

いよいよマイホーム計画をスタート! そんなあなたにとって家づくりで最初の大きな決断の壁は、どの会社で建てるか?ということかもしれません。そう「住宅会社選び」です。

あなたは思うかもしれません。「他の人は何を優先して決めているのか?」。信頼できる友人に聞くことができればいいのですが、親身になってくれるからこそ良かった点もそうでなかった点も教えてくれるので、結局、何をもって判断していいのかがよく分からなくなってきます。加えて担当者の人柄・住宅会社の認知度の高さ・見た目のデザインの良さ・施工された建物のイメージなどが目に入ってきますが、とはいえ、それらは本質的ではないところしか見ていない気がしてしまいます。

長く住む家づくりであり、また建てた会社とはずっとつながる大切な関係ですから、失敗は許されません。だからこそ、3度目の家づくりを終えた今だからこそ確信を持てた「会社選びで優先したこと」をお伝えしたいと思います。

 

Best 5
「完成保証がつく」経営安全性のある会社

最初に家を建てようと契約し着工した住宅会社は浜松に本社があった中堅ハウスメーカーのFハウスでした。そしてその会社が自宅の建築中に倒産したことをテレビニュースで知りました。私たちは施主であるにも関わらず、です。会社には電話が繋がらず、担当者とも一切話ができず、その後6年にわたり弁護士を挟んでいろいろな出来事がありました。大きな余分な出費と労力の挙げ句に泣き寝入りして住み始めた家でしたが、結局、7年後には売ることに決めました。

建てた会社が倒産すると、アフターメンテナンスが一切無いだけでなく、ちょっとの困り事も相談できる先がないのです。本来なら無償でやってくれる事も自力で別の会社に依頼することになります。もちろんすべてに費用が発生しました。それ以上に、倒産した会社で建てたことが、両親やご近所や友人に対して「そんな選択をした」という何とも言えない恥ずかしい思いとして常に心に残りました。悩んだ末、まだ夫婦二人だったこともあり、資産価値は大きく下がりましたが売却して、もう一度アパートに住むことにしようと決めたのでした。

この家づくりを始めたのは20代後半当時のまだ若かった頃です。担当者が話しやすく家の感じも良さそうで、そこそこ大きな会社だから大丈夫だろうと住宅会社の経営安全性など気にもしなかったのです。知らなかったことよりも知ろうとしなかった自分たちにも問題があったのですが…

このような経験の後に分かったことは、真面目で誠実な住宅会社はその会社自体が「完成保証」に入っているということでした。「完成保証」というのは施主ではなく住宅会社の判断で住宅会社がかける保険であり、万一、その会社が倒産しても施主に金銭的な負担を押し付けないことと、完成できる引継ぎ会社を保険会社が探し、その新たな会社が完成後のアフターメンテナンスや完成後の保証もつける仕組みです。

これから家づくりする皆さんには「完成保証」に入っていない会社を絶対に選ばないでほしいです。そもそも経営状況が悪い会社を選ばないでください。良い家を建ててくれそうだなと思う会社に経営指標(「貸借対照表」)などのコピーをもらうといいですね。ご自身が詳しくなくても、その資料を元にお近くの会計士に相談したり、勤め先の経理担当に見てもらえば、だいたいの経営状態を把握することができます。

住宅会社によっては、見た目が派手でHPも立派でも実は大きな借金を抱えていて、ちょっとした経営上の問題が起こると債務超過・債務不履行に陥り、銀行の融資が止まると一瞬で倒産…というケースも少なくありません。まさか自分たちがそのような悲劇を経験する当事者になるとは夢にも思っていませんでした。これから家づくりする方には、私たちと同じ轍を踏んでほしくないのです。

 

Best 4
「暮らし方」についての提案力があること

数年のアパート暮らしの後、一人目の子供が生まれたことがきっかけで、子供を庭で遊ばせられる緑や自然を感じる暮らしがしたいという思いもあり、思い切ってもう一度新築を建てることに決め、「完成保証」の会社を選ぼうといろいろ調べました。経営指標を誠実に出してくれる会社と、理由をつけて出さない会社があり、こういう姿勢の違いも施主に対する向き合い方が違うのだということがよく分かりました。

もちろん私たちは経営指標をオープンにしてくれる会社を選びました。1回目に建てた倒産した今なき住宅会社は、自由設計と言いながらもカタログの間取りを敷地サイズに多少アレンジしただけでした。当時は何も知らないままそれでいいかと思いましたが、2回目は子供ができ将来をイメージできるようになった30代半ばの計画だったので、完全自由設計で建ててくれる地元の工務店を探しました。

そして、私たちが選んだ2度目の会社で私たちにされた質問や会話は単にプラン作りの為ということではなく、私たち家族がこれから求める暮らし、今やっている趣味やいつかやってみたいコト、家族同士や友人そして親族との関わり方、仕事のこと、休日の過ごし方などなど、一見、家づくりと全く関係のない内容が多かったのですが、家づくりはライフスタイルを形にすることと気付いた時から驚くほど担当者デザイナーさんと熱く語り合っている自分自身がいました。

そしてデザイナーさんから出てきたファーストプランは「感動!」の一言でした。私たち家族らしさを大切にしながら想像をはるかに超える間取りを提案していただき、それを見たときの興奮は今でも鮮明に覚えています。さらに驚いたのが、お庭や家具のイメージも写真付きで提案していただいたこと。こういう家づくりがワクワクする家づくりなんだと実感した瞬間でした。

 

Best 3
「性能や構造」をHPやカタログではなく実物でキチンと説明してくれること

今度こそ絶対に失敗したくない!という強い思いで住宅会社選びをする中で多くの会社を見て思ったのは、カタログやHPでは良い事をばかりを載せていたり、営業担当者の話を聞くと何となく納得させられてしまいそうになりましたが、それを鵜呑みにしてはいけないということ。大きな失敗の経験を振り返って、特に性能や構造に関して大切な点は実物を見せてほしいとお願いしました。

ここでもまた誠実に工事中の現場に同行して丁寧に説明してくれる会社と、実物は見せられないまたは案内できないと断る会社に分かれました。大切なのはカタログやHPに書いてある内容が現場に反映しているのかどうか。それ以前に、施主に親身になってくれる誠実さがあるかどうか、そういう点からも会社の体質が見えてくるのです。現場を見ても私たち素人には分からないことも多いですが、そういう時こそ、真摯さが感じられ心から信頼できる会社かどうかの違いを垣間見ることができます。

私たちのこの二度目の家の敷地は都市計画の大型道路計画に当たり、もしその計画が動き出したら代替地への移転の可能性があると購入時に不動産屋さんから聞いていました。ですが子供の学区の関係と周辺環境の魅力から、それを承知の上で土地を買ったのです。そして入居してから4年後、建築地に10年以上止まっていた市の都市計画道路の予算が付いたとの話が持ち上がり、移転のための代替え地探しが具体的に出ました。私たちが購入する10年以上も前から止まっていた計画なので、一生この土地と建物で暮らせると思っていただけにショックではありましたが、人生、三度も家づくりができる人はそういない…そう前向きに夫婦で気持ちを立て直し、早急に新たな土地を探して再び新築を計画することになりました。

二度目と三度目は同じ会社です。自分たちの家のことはもちろん、暮らしのヒントを与え続けてくれたり、仕事観や生き方にも学びが本当に多い会社です。計画中も工事中も楽しかったのですが、家を建てた後、よりこの会社を好きになり、家づくりが終わってもリスペクトの気持ちでつながりを持てています。私たちが、二度目と三度目の家づくりを同じ会社で建てた理由がこの後にお話しする、会社選びの優先したことベスト2、ベスト1です。

 

Best 2
「入居後のアフターサポート」と「お付き合い」の充実度

家づくりの最中は、自分たちらしい間取り・外観・暮らしを想像しながらの打合せが本当に楽しく、担当デザイナーさんと会うのが待ち遠しかったです。そして二回目も三回目の家づくりも、建物が出来上がっていく過程を休日に見に行っては職人さんと話したり、デザイナーさんと打合せしたこだわりの仕上がりを確認しては、もうすぐ叶う生活を想像して妻や子供たちと未来を一緒に語り合ったことも今では大切な思い出です。

私たちが選んだ会社は工事中の現場を見に来ていいと言ってくれる会社だったのですが、他社で建てた知人は「勝手に現場に行かれると困るので行く場合は教えてください。」と言われていたそうです。自分の家なのに出来上がっていく過程を自由に見ることができないのは本当に残念なことだろうなと思いました。

そして、私たちが本当に「この会社でよかった!」と実感したのは完成後のお付き合いの中でのこと。他の会社で建てた後輩が、入居後に気になっている点を伝えても後回しにされたりメンテナンス担当者が素っ気なくイヤイヤやっているように感じて電話をするのが億劫になったという話を聞くにつけ、丁寧な定期点検と困ったことや気になっていることに「気持ちよく」すぐに対応してくれる自分たちが選んだ会社との違いに驚きとてもありがたく感じています。計画中はよく分からないアフターの対応だけど実は入居してから会社選びの成功か失敗かがハッキリ分かるよね、とその後輩とも話しました。

カタログやHPを鵜呑みにせず、完成してからどんな人が点検やアフターの窓口になってくれるのか?、ちゃんと専門のプロがいるのか?、入居後にメンテナンスのコツを教えてもらえる機会があるのか?、連絡するとすぐに駆け付けてくれるルールがあるのか?。会社選びの際に直接これらを担当者に確認して、その姿勢が信頼できるかどうかを見極めることが大切だと思います。

 

Best 1
プロフェッショナルかつ優しく丁寧な「会社全体の雰囲気」

前述のとおり、完成してからのお付き合いがずっと長くなる住宅会社選びですから、良い家を建ててくれるかどうか?とともに、ずっとお付き合いしたいと思える会社か?もとても大切です。いつも寄り添ってくれるホームドクターのように、私たちの家を見守ってくれるプロフェッショナルな会社と出会えたことは本当に幸せです。

そういう会社かどうかを見分けられたのは、いくつかの住宅会社のイベントに参加したり打ち合せで訪問した際に、担当者以外のスタッフさんの姿をよく観察していたからです。ある会社は担当者さんは気さくで明るい感じでしたがその他のスタッフさんは私たちの家族については無関心。中には挨拶すらしない人もいました。

一回目に失敗した会社の雰囲気がまさにそうでした。私も妻もそういう会社は都合が悪くなれば恐らく連絡もつかなくなると確信していたので、担当者の人柄はもちろんですが、風通しが良くオープンで、会社の雰囲気が優しく、丁寧であるかどうかを特に注意深く観察しました。その会社の誰と会ってもそのように感じるかを夫婦で観察したのをとてもよく覚えています。工事中の現場監督さんも入居後にお世話になるアフターの方々も、そして会社の皆さんも好きでいたいですから。

私の建てた住宅会社のスタッフさんは、今でも、担当者さんはもちろんそれ以外の方々もいつも親しく声をかけてくれます。家だけでなく家族のこと大切にしてくれることが本当に伝わってきます。住宅会社選びの際は担当者だけではなくその会社の雰囲気を感じてみてください。ちょっと意識するだけで違いを感じることができると思います。

 

まとめ

「家は三度建てなければ満足しない」という言葉を聞いたことがあります。運命のいたずらもあり、私たち家族は初めて家づくりを計画してから15年間で三度家を建てました。そして今は満ち足りて幸せに暮らしています。

一回目は会社選びで人生のどん底に突き落とされたような苦しい日々を送りましたが、その経験があって二度目の会社選びで素晴らしい会社と出会い、その後に移転という出来事がありましたが三度目の家づくりも同じ会社で建てることができ、素敵なつながりの中で安心して暮らすことができています。

私は「家は三度も建てなくても満足する」と思います。ただしそれを実現するにはキチンとした会社を選ぶことが大切であると断言できます。私の失敗体験と最良の住宅会社との出会いをお話することで、これから新築を検討している皆さんの一生涯後悔しない家づくりに役立てば嬉しく思います。最後までお読みいただき有難うございました。そして皆さんにお伝えする機会を与えて下さったことも心から感謝しています。

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