家づくりの叡智- 家づくりの検討・比較

新築3年後の今、振り返る
もし、もう一度家を建てるなら
絶対に注意したい7つのこと

新築3年後の今、振り返る<br>もし、もう一度家を建てるなら<br>絶対に注意したい7つのこと

私は、3年前にマイホームを建てました。

この家にはとても満足して、家族4人で楽しく暮らしています。そして憧れていた、マイホームが完成したら友人家族が集まりリビングやお庭で休日を過ごすという夢を叶えました。今は、日々慌ただしい日常の中でも自分たちの理想の生活を実現できていることを幸せに感じています。

そんな中、ある友人から家づくりの感想を聞かれた際に、良かったことだけでなく、「もし、もう一度家づくりをするなら絶対に注意した方がよいことは?」という質問をされました。ドキッとしました! 十分に満足していた私は、その質問を的確に答えることができなかったのです。そして「頭のなかを一度整理してから答えるね」と宿題にして文章で箇条書きしました。その内容を改めて記事にしたものがこちらです。

都田建設さんとの家づくりだけではなく、他の会社でマイホームを検討される方にとっても私の経験が少しでもお役に立てばと思っています。

 

その1
会社選びに時間をかけすぎず、一つの会社に絞って何度も打合せを

子供の小学校入学に合わせ、2年後に完成したいと夫婦で話し合って家づくりをスタートすることになりました。初めての新築計画だったので、当初は何から始めてよいか分からずネットや雑誌をいろいろと見ていましたが、それでもイメージがつかずモデルハウスへと足を運びました

立派な展示場で気持ちが盛り上がり、営業の方がそれぞれの会社の特長を教えてくれたのでいろいろ見てみようと考え、気づいたら8社の営業マンと打合せをしていてなかなか断ることもできず、最後には何を信じていいのか分からず…判断に疲れて家づくりを半年間も中断してしまいました。

完成時期も決めていたため不安の中にあった私たちですが、家づくりをしたある友人からの紹介で訪れた会社は、売り込みもなく、営業マンではなく実際に設計するデザイナーが担当として親身に聞いてくれたこともあり、また信頼する友人が建てた会社や担当者ということもあって、その場でその会社に決めました。

その後の自分たちとデザイナーさんとの打合せは、自分たちの要望の奥底にあるものを引き出してくれる質問と、その後に出てくる提案に毎回ワクワクして進みました。夢への階段を上っていくかのように私たちとデザイナーさんが一つになっている感覚やその記憶は、完成した家以上に自分たちの宝物のようで今でもよい思い出です。

これから家づくりをお考えの方には、多くの会社を見て検討する時間を取りすぎず、一つの会社に絞ってひざを突き合わせ、自分たちの希望や夢そして願望を伝え、何度でも間取りやイメージを擦り合わせる時間を取ることが大切と知っていただきたいです。「会社選び」の段階ではまだ家づくりは始まっていません。会社を一つに決めてからが密度の濃い家づくりの醍醐味ということなのかもしれません。

 

その2
住宅会社を決める際の判断基準は、その会社の「信頼」と「センス」で

住宅会社選びでもう一つ。会社を決められず8社の営業マンと話をしたことで何が正解なのか分からなくなったのですが、振り返ると、それは私たち家族の問題でした。原因は、会社選びを「性能」「仕様」そして「何が標準設備で何がオプションか」の基準で8社比較してしまったことです。

今から考えると、家電製品を買うような感覚でカタログや営業マンの言葉をまとめ表にしたこともありました。とはいえどこも一長一短があり、また、どこがお得か?という判断で見ているとなんだか自分の気持ちも疲弊して、こうして会社選びをして家づくりを始めたところで完成後にワクワクする理想の暮らしが手に入るのか、全く見えなくなったのです。

その会社の標準仕様やスペックを比較するのも大事ですが、会社として信頼でき、また話す担当者が魅力的であり、その会社と人のセンスが私たちを包み込んでくれたこと、それらによって私たちの家づくりが楽しくなり、安心して進めるようになった転換点でした。

モノの比較も大事ですが「信頼できる会社」「人」。そしてその会社がもつセンスのようなものがマッチすれば、その会社とひざを突き合わせ未来を語ることで、素晴らしい提案をしてもらえるということです。その段階から家づくりが本当に楽しくなったのです。

 

その3
お庭も住まいの一つ できれば同じ会社で作った方がいいかも

私たちには外構会社で勤める親戚がいたこともあり、住宅会社とお庭を造る会社を別にしました。お庭をつくる外構の打合せは、家の完成する約一か月前からスタートしました。家の外観が分かる時期に合わせて外構を計画をしようという親戚のアドバイスによるものでした

外構の打合せがスタートし、何度もイメージ図面を出してもらったのですが、こちらの意図がなかなか伝わらず、建物の中とお庭で家族や友人たちと過ごす時間を大切にしたいと伝えても、何故か建物と一体にならないチグハグな感覚が否めない中、親戚ということもあり、最後は希望の入居時期が迫ってしまい半分は妥協を余儀なくされましたが、無理を言って新築でお願いしたデザイナーに修正を加えてもらいました。

そもそものマイホームの夢の一つが、家族や友人とリビングとお庭でゆっくり週末を過ごしたいということであったので、最後の工事のお庭づくりも私たちは絶対にこだわりたかったのでした。まさか身近な親戚だからこそ「言いにくい」「関係をこじらせたくない」といった曖昧な状況のまま妥協を余儀なくされそうになるとは想像だにしていなかったのですが、後から知人に聞くと「よくあること…」ということを知りました。

一生に何度もある家づくりではないだけに、身内だからといって絶対に妥協したくないという方には、新築と同じ会社でお庭づくりもプランニングしてもらうことで自分たちの生活をトータルで設計してもらえて、住んでからとても満足度が高い計画になるのだと感じました。

新築の計画中に、家でやりたいことは何だろう?と考えた時、「家」も「庭」ももしかしたら「インテリア」なども同時並行でコーディネートしてもらえることで、最後まで安心して家づくりを進められると思いました。

 

その4
工事中は、何度も現場に足を運ぶことでより愛着が高まった

いよいよ工事が着工する地鎮祭の日のことはよく覚えています。
もちろん緊張感もありましたが、いよいよ私たちの家づくりがカタチとなっていくというワクワク感でいっぱいでした。基礎工事にも入っていないのに現場の前を通ったり、また大工さんのいる時間に現場に行っては自分のこだわった所、気になっていた所を見ることができとても安心しました

何度もデザイナーさんと図面上で打合せをしたので基本的に迷いなどは無かったですが、少し不安な所もあったのは事実です。そんな気持ちの中でしたが、「8時から17時まで大工さんのいる時間に現場を見て大工さんと沢山お話してみてください」という建築会社の姿勢はとても信頼感あるものでした

私自身も製造業に携わっていますので、工場を顧客に見せることができるのは自信がある証拠だと思います。だからこそ実際に職人さんと話ができる時間を作ることができたのは、今となっては子供たちにとってもかけがえのない思い出となっていると感じています。なによりも、完成後には見ることができない壁の中や天井裏などの構造を自分の目で見ることができたことは、完成したこの家への愛着が深い理由かもしれません。

 

その5
性能を気にして家を建てたが、庭が広く窓を解放して暮らすのでそこまで意識しなくてもいいかも

先にも書きましたが、家づくりをスタートした際は8社の住宅会社展示場に行き営業マンと話をすると、いつの間にか比較項目の中心を「性能」に置いていました。そして、最終的に選んだ会社にも性能へのこだわりを話すと、希望とする性能を十分にクリアをした家が実現することも分かり安心しました。しかし、今、この家に暮らしながら思うことを率直にお伝えすると、私がとてもこだわって比較検討し迷いに陥った「住宅性能」は、もしかしたらどの会社も実はほぼ変わらないのでは?…ということです。

私が当初こだわった「数値が0.1良いか悪いか」なんて、入居してからは体感として違いを感じるものでないのかもしれないということです。

私たち家族は家とお庭での生活を大切にしていますし、家族も友人もアウトドアが好きなだけに窓はいつも開いている状態。季節ごとの心地よい風を感じたり、大きな窓から降り注ぐ太陽の光の心地よさを享受して暮らす日常が、私たち家族のライフスタイルに合っていると今となって実感しています。

ところが家づくりスタートした時は性能数値の高さだけでは満足できる家にはならない事など知る由もありませんでした。これから家を建てる方には、性能数値はどこの会社も大差無いのではないか?という前提の元で、それ以上にどんな暮らしを叶えたいかを優先することをお勧めします。

 

その6
家にあって良かったことは、夫婦それぞれの居場所があること

コロナによって家で過ごす時間が長くなったにも関わらず日常生活が楽しいと感じたことで、私たちの家づくりで大切にした「ちょっとした空間づくりの工夫」に間違いが無かったことを確信することができました。

間取りづくりの際に建築デザイナーさんからある発想をいただきました。
それは主寝室でもリビングでもない個として使えるもう一つの居場所「第三のスペース」の提案。リビングを広く、主寝室もそれなりにゆったりと… というのが私たち夫婦の間取りに対する考え方でしたが、提案されたのは、主寝室はそれほど大きくなく、その分、小さくても夫婦別々の自分の空間「第三のスペース」があり、そこで趣味や好きなものに囲まれ一人になって落ち着ける場を設けるプランでした。

その案をとても気に入って採用しました。そしてコロナ騒動が始まりました。家の中で長時間過ごす中で、家族が集まるリビングダイニングやベッドがある寝室だけでない、もう一つの「自分だけで寛いだり集中できる空間」があることにどれだけ精神的に救われたか

もしこの空間が無かった時のことを考えると、家族同士のストレスが高まり、また喧嘩も頻繁に起こったのではないかと思うほどです。私の家は30坪ほどの広さです。でもそのコンパクトな坪数の中にも、家族一人一人の居場所が確保されていることが、間取りづくりをされる方には絶対にお勧めできることです。

 

その7
キッチンのごみ置き場の配慮が、最高に嬉しい

私たち夫婦は週末は一緒に料理をすることもよくあります。だからこそキッチンにはこだわりを持って家づくりを行いました。「友人を家に招き手料理でもてなしたい」それは最初にも書いたとおり私たちの夢でした。だからキッチンは、忙しい平日も、大人数の料理をつくる休日も、使いやすい場所でありたいという願望がありました。あらかじめ一般化されたキッチンメーカーの製品に自分たちが無理をして合わせるのではなく、せっかくの自由設計の家なのだからキッチンこそはオーダーで作ってくれる住宅会社を選びました

そういう思いを受け止めて、安心して相談に乗ってもらえたのが良かったです。私たちの身長やキッチンでの動き、そして食材などの保存習慣や買い物の仕方などから、キッチンとしての機能やデザインはもちろん、その周辺の収納も含めて同時に計画できたからです。

そして、自分たちに合わせて造ったオーダーキッチンを実際に使い始めて、まず感じた最も良かったことは、キッチンから出るゴミの置き場の配置についてです。既製品のキッチンではゴミ置き場として確保できないはずの場所に、はじめから想定した大きさで配置できたことは、使いやすさだけではなく、友人たちがキッチンに集まる際にもスッキリと綺麗に見せることができてストレスがありません。キッチンが素敵!、これなら料理の時間も楽しいよね、と羨ましがられることが少しの優越感でもあります。

 

まとめ

私の家族は、新築をして3年が経ちました。
友人からの「家づくりの経験からの助言を!」という何気ない質問の回答を書き連ねるうちにとりとめもない箇条書きが7項目となり、その内容をこの記事として文章にさせていただきました。そしてタイトルを「もう一度家を建てるなら、絶対に注意したい7つのこと」と名付け、私が確信をもって言えることを書かせていただきました。

わが家を見た友人から「素敵だね!」と言われる度に思い出すのは、家づくりをしてくださった建築会社の皆さんの活き活きとした表情と優しい眼差しです。一生に一度の家づくりは終えましたが、家を建てた会社の皆さんとこれからも繋がっていけることが本当に嬉しくそして楽しみです。これから家づくりをされる方の参考になればと思います。ご拝読をありがとうございました。

家づくりの叡智- 家づくりの検討・比較

Fine Pick Up