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カフェスタッフのおススメ「北欧Jazz」とその愉しみ方

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小倉拓一郎 / 都田駅カフェ・スタッフ

カフェスタッフのおススメ「北欧Jazz」とその愉しみ方

はじめに

皆さんは、どのような音楽を普段聴かれていますか?
また、音楽を聴きながらどのようにお過ごしされますか?

私は、普段、音楽を聴くときは、ドライブや部屋で読書やゆっくりと過ごしたいときなどで、Jazzや洋楽を中心に幅広く音楽を楽しんでいます。

Jazzを聴くようになったのは、20代の頃、ルイ・アームストロング『What a wonderful world(この素晴らしき世界)』を聴いたことをきっかけにJazzを楽しむ時間が増えていったと記憶しています。その後、コルトレーンやマイルス・デイビスなど、名曲や名プレーヤーなど、アメリカンJazzをきっかけに、ヨーロピアンJazzも聴くようになり幅を広げていきました。

ヨーロピアンJazzを聴き始めた頃、たまたま出会った北欧Jazzが、北欧Jazzが一番好きになりました。そして、今回、この一番好きな北欧Jazz”北欧Jazzの愉しみ方を今回、皆さまにご紹介したいと思います。

おススメの北欧Jazz

(左下)FCQメンバー:ティモラッシー(ts)ソロアルバム(中上)The Five Corners Quintet
アルバム「Chasin’ The Jazz Gone By」(右)FCQメンバー:ユッカ・エスコラ(tp)ソロアルバム

なぜ、北欧Jazzか?
実は、旅と映画をきっかけに素敵なJazzグループに出会いました。

きっかけは、20年ほど前、大学生の卒業前に、初めての海外旅行で、親友が住んでいたデンマークに遊びに行き、インテリア、街並みに感動したことが北欧との出会いです。その後も、フィンランドを舞台にした邦画「かもめ食堂」を見て、そこで登場するカフェやファッション、インテリアなど、さらに興味を持つようになりました。この旅や映画を通じて、直感的に素敵!と感じたことが始まりです。

北欧のアンテナが立ち始めた私は、北欧フィンランドを代表する5人のJazzミュージシャンによって結成された、『The Five Corners Quintet(ファイブコーナーズクインテット)(以下FCQ)』のグループとの出会いによって、私の北欧Jazz好きが一気に加速しました。

フィンランドと言えば、クラシックで有名なシベリウス『フィンランディア』、伝統音楽カンテレなど、クラシカルな音楽であったり、あるいは、エアギター世界大会があるなど、ロックやヘビーメタルなど、伝統があり、最近の音楽も取り入れ、幅広く音楽を楽しまれているイメージを持っていました。しかし、正直、Jazzのイメージはまったくといっていいほど、ありませんでした。

ところが、FCQの音楽は、2005年に発売されたアルバム『Chasin’ The Jazz Gone By(チェイシン・ザ・ジャズ・ゴーン・バイ)(過ぎ去りし日のジャズを追いかけて)』が、私の一番のお気に入りのアルバムです。

ヘルシンキに実在する五差路の名から取られたグループは、当時、日本でもひそかな人気グループになっていました。
少し、プロデューサーとメンバーについて、簡単に触れておきます。
プロデューサーは、ジャズの熱狂的なファンでもあり、DJでもある、アンチ・エーリカイネンとJazzグループニュースピリット・ヘルシンキ・コレクティヴのプロデュースをしている、トーマス・カリオ、グループ演奏メンバーは、テッポ・マキネン(ds)、アンティ・ロジョネン(b)、ミカエル・ヤコブソン(p)、ティモ・ラッシー(ts)、ユッカ・エスコラ(tp)の2人のプロデューサーとヘルシンキ最高峰の音楽院シベリウス・アカデミー出身者もいる、5人グループが仕掛け人になっていきました。
プロデューサーの二人が、「1950年、60年代のジャズをフィンランドから再紹介したい、ジャズ黄金時代の音楽の生命感を再現したい。」目的でプロジェクトがスタートし、プロデューサーのトーマス・カリオがプロデュースした、ニュースピリット・ヘルシンキ・コレクティヴのメンバーであったユッカ・エスコラやテッポ・マキネンのほか、国内で活躍するほか、共感するメンバーが集められ結成されました。
クラシカルでありながらも、古さと新しさが融合し、新たなモダンジャズを生み出した音楽。私にとってはとても衝撃だった覚えがあります。

その他、おススメアルバムのご紹介

FCQは、2005年に発売されたアルバム発表後、2008年に発売された、2ndアルバム「HOT CORNER」、2010年「ライブアルバム『Jazz Heat, Bongo Beat!』を経て、2012年活動休止となるまで、3枚のアルバムの発売とライブを中心に世界中にファンを作っていきました。特に、ライブアルバム『Jazz Heat, Bongo Beat!』では、アルバム『Chasin’ The Jazz Gone By』の雰囲気をそのままに、生演奏ならでは会場のファンとともに化学反応が起きる「高揚感」がライブ会場の一体感を生み、さらなる楽しみを広げてくれています。
それ以外にも、個人でもそれぞれ活動していて、トランペットのユッカ・エスコラによる、アルバム『ユッカ・エスコラ』『ランペラ×ユッカ・エスコラ』など、また、サックスのティモ・ラッシーにより、アルバム『Timo Lassy』『ビッグブラス』など発売されています。フィンランドJazzの中心の部分は変わらず、聴きごたえのある内容になっていて、FCQにはない、違った一面もあり、とても楽しめます。

また、FCQやソロアルバム以外におススメのアルバムとして、1966年代後半-1977年代当時の北欧Jazzを集めた、日本で初コンピレーションアルバム『Love Jazz 66-77』は、今では大変貴重な、クラシカルな北欧Jazzに触れられるアルバムとなっています。FCQの原点である、一番熱気のあった時代の素晴らしい紹介したかったJazzに実際に触れることができて、オリジナルの音楽がこれだったのかと納得できるアルバムになっています。

北欧インテリアに囲まれて聴く北欧Jazz

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北欧Jazzとの出会いによって、休日の過ごし方も少し変わっていきました。お出かけすることも好きだったのですが、北欧Jazzを聴きながらゆっくりとカフェで、北欧家具、照明や食器に囲まれてコーヒーと読書で過ごす時間が愉しみの一つになっていきました。
また、このときに、北欧の家具や照明に実際に触れてみることで、シンプルで飽きのこない本物のデザインに自然と目が行くようになり、北欧のインテリアに囲まれて過ごす時間の心地よさに豊かさを得ていった気がします。

生演奏を一度聴いてみたい!

北欧Jazzを聴いてからどうしても実現させたかった一つ、生演奏を聴きたい!そう思った私は、FCQのコンサートにはタイミングが合わず行く機会がもてなかったのですが、FCQのメンバーの一人、テッポ・マキネン(ds)を迎えた、「ニコラコンテ」のJazzコンサートに行く機会をつくりました。DJとプロデューサーでもあるイタリア人「ニコラコンテ」は、日本国内版アルバム『Chasin’ The Jazz Gone By』のエクストラ曲のリミックスで参加していて、フィンランドモダンJazzにも大変共感があり、自身でもイタリアを中心にイタリア版モダンJazzを引っ張っていっていった一人です。

会場は、東京青山にある、「ブルーノート東京」。ブルーノート東京では、着座にて音楽を聴くレストラン形式のホール。念願だった、FCQのメンバーの一人、テッポ・マキネン(ds)の生演奏を聴くことができ、生演奏の迫力、臨場感など、コンサートならではのすばらしさを感じることができ、あの高揚感は今でも忘れることができません。

そして、何より、ゆっくりと腰掛け、生演奏を聴きながらおいしい料理とお酒を飲む、レストラン形式で聴くコンサートにはまり、その後も、別の好きなミュージシャンのコンサートを聴きに何度か訪れたものです。

ブルーノートはじめ、レストラン形式で聴く生演奏のコンサートは、大変おススメの聴き方の一つです。

聴いた音楽の場所へ触れたり、実際に行く。

(写真)デンマーク工芸博物館内、カフェにて:ヴィンテージミニマルチェアに腰かけて優雅な時間です。

北欧Jazzを聴きながら旅がしたい!
親友がたまたま住んでいたデンマークに訪問する機会がありました。
街並み散策、カフェで過ごす時間、歴史建造物、美術館に行くなど、音楽とともに過ごしていくと北欧のライフスタイルの心地よさとともに臨場感を感じて、さらに興味が湧いたことを覚えています。

おわりに

おススメの北欧Jazzとその愉しみ方をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

音楽を通じて、音楽を聴きながら過ごす時間、生演奏の愉しみ方、生まれた音楽の国に出向くことで、インテリアや文化に触れ、ライフスタイルの豊かさが広がる気がします。

残念なことに、FCQは、2012年グループとしては活動休止となりましたが、今なお、私の中では、ヘビーローテーションの一つです。機会があればぜひ一度視聴していただければと思います。

普段、私はドロフィーズキャンパス、MIYAKODAcaféのスタッフとしておりますので、ぜひ、北欧Jazzに限らず、おススメの音楽や過ごし方を教えていただけたら、嬉しいです。

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小倉拓一郎 / 都田駅カフェ・スタッフ

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