丁寧な暮らし- スウェーデン生活からの贈り物

病院事情 インフルエンザや風邪にかかったら?

WRITER

新谷 友海 / スウェーデン在住ライター

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みなさん体調など崩していませんでしょうか?私はというと、5日前に高熱が出て以来文字通り寝たきりになってしまい、まだ熱は平熱まで下がりきっていないのですがようやく通常通り動けるようになってきました!ちなみに熱はというと、私の平熱は低くて35℃ちょっとしかないので36℃後半でさえかなりしんどくなるのですが、なんと今回38.5℃まで上がってしまいました。日本だったらすぐに病院へ行って診てもらって、必要な薬を処方して貰い、それ以上ひどくならない様早く回復できるように努めることができますよね。福祉の国スウェーデンではどうでしょう?

というわけで、今回はスウェーデンの病院事情を、寒かった日に撮影した写真を交えながらお話したいと思います。ちなみに今は雪はもう完全にとけてしまいました!

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さて、日本だとすぐに病院にかかれるので必要な処置をその日にすぐしてもらえるのですが、スウェーデンだと…?例えば風邪であったりインフルエンザであっても、自分で治す必要があります。4日ほど様子を見て悪くなるようであれば、そこでやっと診療所のドクターに診てもらえるという感じです。例え「熱が39℃あって本当にしんどいので今日診察して薬をください」と診療所へ行ったとしても、「4日ほどみてよくならないようであれば戻って来なさい」と帰されるそうなので、診察代だけが無駄になってしまいます。

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ある程度の風邪であれば、日本のように「風邪で病院へ行く」という考えはもう無かった私ですが、さすがに平熱が36℃ある人にしたら40℃近い熱が出ていたのでベッドに横になっているだけでもとても辛く、熱がある程度下がるまでに時間を要したので「日本だったらすぐに薬を貰えるのに、病院へすら行けないなんて無駄に高熱を長引かせて苦しんでいる気がする!」と、ちょっと腹を立ててしまいました。こちらではこれが普通なのですが。

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あと日本では総合風邪薬のような風邪の症状にオールマイティに効く心強い薬やビタミン剤などが沢山出ていますよね。こちらでは「風邪薬」のようにこれを飲んでおけばとりあえず大丈夫!というような薬は売っておらず、鎮静剤か解熱剤か、鼻詰まりを解消する薬かのどの痛みに効くスプレーか…と、どれかの症状に絞って飲む形になります。 風邪薬の存在に慣れている日本人からすると、「えっ風邪薬無いの?」ってなりますよね。

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あとはマスクも売っているのを見たことがありません!日本では皆さんよく使用していますよね。こちらにも探せば売っているのでしょうか?でも誰もしていないので、マスクをしたら逆に浮いてしまいそうです。

インフルエンザや風邪の場合、スウェーデンではこんな感じです。どれだけひどい症状が出ていても、とりあえずは市販の薬で様子を見て自分で治さないといけないので、ちょっとしたことでもすぐにその日のうちにドロップインで病院へ行って診察して貰って必要な薬が手に入る…という日本の環境は本当に素晴らしいものだと思います。スウェーデンでは専門医にたどり着く前に、まずは地元の診療所に予約を入れ診療医に診てもらうところから始めなくてはいけません。ですので、専門的な(例えば皮膚の症状など)症状が出て、すでに自分で必要な薬がわかっていても貰えるのに時間がかかったり、病院の専門医にかかりたいとお願いしても、そこにたどり着くまでに数か月かかる場合もザラです。

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ただ、便利だなと思うところはe処方箋が普及しているので、例えば私は喘息があるので吸入器を1個は持つようにしているのですが、それも日本では毎回病院へ行く必要がありますが、こちらでは一度処方してもらった薬等はネットや電話で申し込めばすぐにe処方箋を処方してもらえ、処方箋の有効期限内であればスウェーデン全土の薬局で必要な薬が手に入るというところです。なのでe処方箋に必要な薬があれば、例えば海外旅行に行く前に空港の薬局で病院でしか処方してもらえない薬を購入して一安心…ということも可能です。

長くなってしまいましたが、スウェーデンにおける病院事情でした。

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