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丁寧な暮らし- 代表の想い都田スタイルの家づくり- 家づくりの姿勢
完全禁煙の会社・現場

社員全員が禁煙者。
ドロフィーズキャンパスは完全禁煙。
都田建設の工事現場は完全禁煙。
これは、私たちのスタンダードです。
禁煙者のみが働く会社となる軌跡
2015年に業界初「現場完全禁煙」の会社となったその物語をお伝えします。
重なった3つの出来事
「左官職人の親方○○さんが救急車で運ばれた…」。
現場から突然の連絡が社長の蓬台の元に入りました。2009年9月の出来事でした。彼は都田建設の創業時から左官職人として仕事を支えてくれていました。単に左官職人というだけでなく、現場品質へのこだわり、仕事に向き合う姿勢、仕事と趣味をリンクさせ豊かに生きる人となりなど、蓬台に大きな影響を与えてくれていた人でした。脳梗塞でした。数日間の入院の後、残念ながら息を引き取りました。彼はヘビースモーカーでした。また同じころ、都田建設で働いていた家族のお子様が極度の喘息で特に寒い時期には外にも出られず、また喫煙者の近くを通るだけで咳が止まらなくなることで、否応なく人混みを避ける生活をしていました。
そして、社長蓬台の当時2歳だった息子さんが小児がんの告知を受けたのも同じ時期。1年近くの入院中、病気に向き合う息子さんとの時間を過ごす中で、喫煙や大人のタバコによる受動喫煙が小児がんの発生の確率を大きく上げることを蓬台自身が知りました。蓬台自身はもともとタバコを吸った経験はありませんでしたが、同じ時期に起こった3つの大きな出来事から、タバコが人に与える健康被害についてより深く学ぶようになったのです。
決意
当時の都田建設には1割ほどの喫煙者が在籍していました。会社には喫煙室があり、また現場においても喫煙場所を設け、吸い殻入れを置き、決めた場所で職人は休憩時間に喫煙してもよいというルールで動いていました。
そんな中、家づくり中のある奥様から会社へのお願いがありました。「私たち家族はタバコが嫌いです」「私たち家族の大切な家づくりにはタバコを吸う人は入れないでほしい。木の家で気持ちよく過ごしたいのに、たとえ喫煙場所があったとしても工事中に吸ったタバコの煙が自分の家の新しい材料にかかると思うと気持ちよくない」。その言葉に蓬台ははっと気づかされました。
タバコを吸うことに「百害あっても一利なし」。
それが自分のことであってもそうなのに、お客様のためのものづくり中にタバコの煙がかかる行為はあってはいけないということを、お客様のお気持ちを聞かせていただくなかで確認をしました。そして決めました。まず「1年後には全社員を禁煙にしょう」そしてそれを達成した後には「全ての現場を完全禁煙にしよう」です。
会社内敷地はもちろん、都田建設の現場では関係業者や職人まで一切の喫煙を禁止する、タバコの吸い殻入れは撤去、工事敷地内の車の中でもタバコはNGにする、ことを決断したのです。一年の猶予期間には、喫煙しているスタッフには禁煙外来クリニックに会社負担で通わせたり禁煙勉強会に参加させたりと時間をかけて、社員自身とそのご家族様の健康に向き合う時間をつくりました。そして2012年に全社員の禁煙が達成したのです。
そして、2年間はまず社員が継続して実践することを確認しながら、2014年5月に都田建設の現場で仕事をしている関連会社や職人の約150人を一同に集めて、一年後の2015年には工事現場は完全禁煙とすることを伝えるための総会を開きました。この総会では「タバコから子供を守る会」の代表の加藤医院の加藤一晴先生に、タバコが人に与える害について講演をおこなっていただき、また禁煙外来クリニックの存在についてもお話をいただきました。タバコを習慣として吸っている人には、それを変えることの大変さを承知した上で1年かけてどのように禁煙に向き合ってもらえるか、社員でもない関連会社や職人に対して完全禁煙というルールを徹底することへの覚悟が問われました。
念いが試される
今ではいたるところで喫煙は禁止となっていますが、当時はまだまだ喫煙者が公共の場で堂々と我がもの顔で、また子供の前で吸っている風景が当たり前だったので、職人からすると抵抗を感じずにはいられなかったのは事実です。
そして総会から数日後、早速ある職人から「1年後であっても現場で完全禁煙は厳しすぎる。せめて自分の車の中、もしくは今まで通り喫煙場所を設けてほしい」「そうでなければ都田建設の仕事を受けない」という連絡がありました。蓬台はその職人と話をして、再度、喫煙する職人の健康被害や、受動喫煙による近くにいる禁煙者への害、そしてお施主様に対する施工者の責任…などを説きました。
しかし1年の間に何らかの努力をして時代の要請に自らを変化させようとせず、今までの習慣を変えたくないという気持ちが変わらないと分かったので、都田建設との取引きを終わりにしてもらいました。このような関連会社様は少なからず他にいました。ある朝、蓬台が会社に出社したところ正面玄関ドアの前に吸い殻ゴミの山が捨てられ、その横のガラスが割られていることもありました。非常に残念な出来事でした。しかし蓬台はじめ禁煙を実践しているスタッフ全社員が、自分たちを信頼してくださる家づくりのご家族様への念いを貫くことに迷いはありませんでした。
価値観で共感、そして結束力へと
そして、2015年の6月、いよいよ現場完全禁煙のスタートを切りました。一年をかけ、努力して習慣を変えてくれたパートナー会社様や職人さんたちは、今まで以上に都田建設の取り組みに強く共感してくれていることを実感しました。やはり、正しいことを本気で貫く集団には、安心感とともに強い共感で結ばれる一体感が生まれるものです。
そしてそれは、自分の健康はもちろん、共に働く職人同士の心身への配慮、何よりも家づくりを託してくださるお客様ご家族に喜んでいただきたいという気持ちの高まりでした。自分たちがつくる家というモノとともに、その家をつくる過程を心底大事にしたいという思いやりと感謝の気持ちをもった人たちが、丁寧につくる住まいづくりのおいて「現場完全禁煙」という業界初の実践が軌道に乗り始めたのです。
禁煙に成功した職人たち
都田建設の専属の大工として約20人の棟梁がいます。そして1つの建物の大工工事を行うのが基本です。その棟梁の中にもヘビースモーカーがいました。本人曰く、15才の時から45年間毎日吸い続けてきたのだと。その彼が2014年の総会後にきっぱりと喫煙をやめたということです。総会の3か月後、彼の奥様から蓬台宛てに電話にて連絡がありました。「主人はあの日から一本もタバコを吸っていない。長年、禁煙をしようとしても続かず、45年もの間、止めることができなかった主人に、あの日いったい何を話してくれたのか?」と。
後日、蓬台はその棟梁に質問しました。あの総会でいろいろとタバコの害についての話をしたが何が心に響いたのか?と。すると一言だけ「タバコを吸うことがカッコ悪い、ということがよく分かった」と話しました。15才の時からタバコはカッコいいと思って吸っていたし、その流れでタバコ中毒へ進んでいったが、自分の子供や孫のような若者からみると「タバコはダサい」と初めて知ったのだということです。家族から誇らしく思ってほしい気持ちが禁煙を続ける強い動機となったとのことでした。彼には正しい情報がなかっただけだったのかもしれなかったのです。
また、あるパートナー会社の若い職人も総会までタバコを吸っていました。でも、その一年後には完全に禁煙に成功し、さらにその2年後に蓬台に報告してくれたことがありました。「タバコに使っていた自分のお小遣いを貯金し、そしてその貯まったお金でずっと夢だった欲しいバイクを買うことができた。そして、休みの日は奥様を連れてツーリングを楽しんでいる。こんなことができるとは思っていなかった。身体も健康で好きな趣味も楽しめる。本当にありがとうございます」と。目を輝かせて伝えてくれたとのことです。
仕事に情熱をもって家づくりを支えてくれる若い職人が、自分のプライベートでも禁煙によってより充実して過せる変化が起こっていたことに心から嬉しく思ったのです。
建築業界の今
しかしながら、建築業界はまだまだ現場での喫煙は当り前です。休憩時間には吸い殻入れの周りに人が集まり、プカプカとタバコを吹かしている風景に大きな変化はありません。ただ、死因の一位は喫煙が原因であること、受動喫煙のよる子供たちへのタバコによる健康被害といった、タバコによる社会問題が以前よりも表面化されてきたこともあり、変わろうとする会社も少しずつですが増えてきたことも事実です。
都田建設が先立ち現場のタブーにメスを入れたことが業界でも少しずつ広がっていることを知ると、戦い続けてきた甲斐があったとも思っています。まずは実践を!という都田建設ドロフィーズのこのような姿勢に、共感いただけるご家族様が私たちをお選びくださっていることも心より感謝をしています。
加藤医院
こどもをタバコから守る会
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